NITEP談話会

物理・第35回NITEP談話会

Asia/Tokyo
中百舌鳥キャンパス A12棟 サイエンスホール

中百舌鳥キャンパス A12棟 サイエンスホール

Description

日時:7/13(木) 5限 (16:45 ~)
場所:中百舌鳥キャンパス A12棟 サイエンスホール
講師:中井直正 (関西学院大学)
題名:宇宙の膨張率を表すハッブル定数の矛盾
概要:活動的銀河中心核の水メーザー観測から中心にある巨大質量ブラックホールの質量や周辺のガス円盤の構造を調べることが可能であるが、それに加えて条件がそろえばその銀河までの角径距離を求めることができる。この新しい手法は「距離はしご」を使わずに直接に銀河距離を精度良く決定できる非常に優れた方法である。現在までに数個の銀河で距離が得られ、それから求められたハッブル定数の値は宇宙背景放射の観測から求められている値と有意に異なる。今のところその食い違いの理由はわかっておらず、宇宙論の大きな問題となっている。この水メーザー観測による新しい距離測定の手法とハッブル定数の矛盾(英語ではハッブル緊張と呼ばれている)の現状を紹介する。