日時:2024/12/10 15:00-16:30
場所:理学部棟 第1講義室
講師:岡田 宣親 (アラバマ大学、教授)
タイトル:Solving Big Mysteries in Particle Physics with a New Force
概要:
素粒子標準模型は、現代の素粒子物理を記述する最良の理論です。しかし、この理論では説明できない大きな謎が依然として多く存在します。たとえば、非常に小さいなニュートリノ質量の起源は何か、観測によってその存在が支持されているダークマターの正体とは何か、ビッグバン以前に存在したと考えられているインフレーションは何によって引き起こされたのか、そして、なぜ宇宙では粒子と反粒子の数が大きく異なるのか、といった問題です。これらの謎は標準模型を超えた物理理論によって解決されると考えられています。
本談話会では、まず素粒子標準模型の基本構造とその成功について説明し、この理論では解決できない大きな謎について紹介します。その後、標準模型が新たなゲージ相互作用(新たな力)を含む形で自然に拡張できることを指摘し、この拡張によって上述の謎のいくつかを解決できる可能性を議論します。さらに、現在の実験による制約や将来の実験での検証の可能性についても議論します。