NITEP・数理・素粒子合同セミナー

データ解析の数学的手法が描く正準テンソル模型の時空概念

Asia/Tokyo
Description

日時 : 2019年5月21日(火) 16:30~
場所 : F203(理学部F棟 第2講義室)
題目 : データ解析の数学的手法が描く正準テンソル模型の時空概念
講演者 :笹倉直樹氏(基研)

概要:正準テンソル模型はテンソルを配位変数とし、その波動関数はテンソルの値がリー群の対称性を持つところでピークを持つという興味深い性質を持つ。正準テンソル模型を量子重力の模型として解釈し、それらのピークをリー群の対称性を持つ時空が確率的に好まれるという物理として解釈するには、テンソルと空間との対応関係を構成することが必要である。この講演では、データ解析の数学的手法を使って、実対称3階テンソルと距離計量を持つ空間との対応関係を構成する。具体的には、テンソルのランク分解(CP分解)により点と局所位相を定義して位相空間を求め、さらにその空間上のラプラス作用素を定義して距離を決定する。この方法を正準テンソル模型に応用し、一様球面+時間という設定において、正準テンソル模型のテンソルの古典的運動方程式が、スカラー場を伴う一般相対論の運動方程式と一致することをみる。