日時 : 2019年6月25日(火) 16:30~
場所 : F205(理学部F棟 第4講義室)
題目 : (拡張)ヒッグス場有効理論とその応用
講演者 :長井 遼 氏(東京大学)
概要:本講演では、対称性の自発的破れ現象を記述する"非線形シグマ模型"の 構成方法を応用し、電弱対称性の自発的破れ現象を記述する有効理論 (ヒッグス場有効理論)を構成する。この有効理論では、ヒッグス粒子の相互 作用の構造が非線形シグマ模型の内部空間の構造(幾何や対称性)によって 特徴付けられ、その構造の詳細は電弱ゲージボソンやヒッグス粒子の精密測定 実験によって決定することができる。本講演では、まず、125GeVヒッグス粒子 に関する実験結果や、LEP実験における電弱精密測定の結果を振り返り、 それらが標準模型を超える、拡張ヒッグスセクターに対してどのような制限を与え ているかを整理する。また、それらの実験事実を踏まえ、これまでの実験結果と 無矛盾かつ、将来実験によって検証可能な拡張ヒッグスセクターの可能性に ついて議論する。(参考:arXiv:1904.07618 [hep-ph])