物理学教室談話会/第5回 NITEP談話会

Asia/Tokyo
Description

日時:2019年10月7日(月) 15:30-17:00
場所:第9講義室(E101)

題目:損失のあるスピノールBECにおけるコヒーレンス形成
講師:平野 琢也 氏(学習院大学理学部・教授)

概要:一般に量子状態の位相は、環境との相互作用によって乱され、量子力学的な効果を観測したり、応用したりする際の妨げになっています。最近、我々は、極低温原子集団から原子が選択的に失われるときに、量子状態の位相が自発的に揃い、強磁性状態が形成される現象を発見しました。この現象は、たとえ量子系に散逸があっても、その散逸に構造があれば、むしろ散逸により量子状態の位相が揃うことがあることを示しており、大変興味深いと考えられます。談話会では、我々がどのような現象を観測したのかご紹介します。

参考文献:Y. Eto et al., Phys. Rev. Lett. 122, 245301 (2019).

題目:高感度なBEC磁力計の開発
講師:柴田 康介 氏(学習院大学理学部・助教)

概要:原子は、極めて高感度な磁力計の媒体の1つです。特に、極限に運動が抑えられたボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)は、高い感度と空間分解能を両立する空間磁力計として機能します。現在の最先端の磁力計の性能は、量子雑音に起因する標準量子限界で制約されるようになってきていますが、BEC磁力計(我々のものを含む)は、まさにそのような領域に到達しています。談話会では、我々の開発した磁力計の詳細ならびに今後の展望について述べる予定です。

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