日時: 2020年12月14日(月) 15時15分〜16時30分
タイトル:「トポロジカル超伝導・超流動における熱スピン輸送現象」
講師:水島 健 氏(大阪大学大学院基礎工学研究科)
概略:
スピン3重項p波超流動3HeにはA相とB相という2つの超流動相が存在するが、これらは典型的なトポロジカル超伝導・Weyl超伝導状態として知られている[1]。固体電子系でもウラン化合物など様々なトポロジカル超伝導・Weyl超伝導の候補物質があるが、未だトポロジカルな特徴を反映した超伝導輸送現象の観測に至っていない。特にバルク輸送現象において超伝導・超流動体の対称性やトポロジーがどのように反映されるのかは重要な課題である。そこで本研究ではトポロジカル超伝導・超流動における様々な熱スピン輸送現象について調べる。例ば、Weyl超伝導体のもつ非自明なトポロジーは異常熱ホール効果として顕在化する。しかしながらトポロジカル不変量に由来した内因的な機構に加えて、不純物散乱による外因的機構が存在する。また、超伝導・超流動状態様々な対称性の自発的破れを伴うが、豊富な対称性の破れによって非自明な交差相関応答が引き起こされると期待される。そこで本講演では、(1)Weyl超伝導における負の熱磁気抵抗効果と異常熱ホール効果を議論した後、DIIIトポロジカル超伝導やWeyl超伝導における(2)スピンネルンスト効果、および(3)逆スピンホール効果について紹介す
る。
[1] T. Mizushima et al., J. Phys. Soc. Jpn. 85, 022001 (2016).
[2] T. Kobayashi, T. Matsushita, T. Mizushima, A. Tsuruta, and S.
Fujimoto, Phys. Rev. Lett. 121, 207002 (2018).
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