NITEP・数理・素粒子合同セミナー

弦の散乱における過渡的カオス解析

Asia/Tokyo
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Description

日時 : 2023年6月21日(水) 9:00~
講演者: 世田拓也氏(京大基研)
題目: 弦の散乱における過渡的カオス解析

アブストラクト:古くから、高く励起された弦は自重で潰れてブラックホールに転移すると考えられて来た。一方で近年、ブラックホールはカオスで特徴づけられる事が分かって来た。これらを踏まえると、弦が何らかの形でブラックホールカオスの源になっていると考えられる。本講演では、高く励起された弦の散乱のカオス性について議論する。実際には入射角と散乱角のプロットにおけるフラクタル性や、弦の散乱領域の構造に注目する。その結果、少なくとも現時点では(ボソン弦の4点散乱振幅、ツリーレベル)カオスが確認できていないが、ループ補正を入れた場合や別のセットアップでカオスが出る可能性について議論する。